luica_novel

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2022-08-25から1日間の記事一覧

なんでもない日の幸福/あるいは、n年後の君へ(竜號)

ゴウが居そうな場所を探したが、一通り回ってみてもその姿が見えない。格納庫を彷徨っていると、整備士の一人に声を掛けられた。 「あ、竜馬さん。ゴウさんなら外にいますよ」 あっけらかんと言われて、竜馬は眉根を寄せた。なんで俺があいつを探してるって…

握った拳がほどけたら(拓カム)

肌を突き刺すような緊張感が場を支配している。その空気を作っているのは、一歩も引かずに睨み合う拓馬とカムイの二人だ。 たまたまトレーニングルームで鉢合わせたのが運の尽きだった。回れ右をしようとしたカムイを拓馬が挑発し、売り言葉に買い言葉、いろ…